夏の甲子園が始まった。
今年は記念すべき100回大会ということで大いに盛り上がっている。

と思いきや、TVで見る限りスタンドの観客はまばら。
バックネット裏でも空席が見える。
この要因の一つは、今年から入場券が前売りになっており、
一日の試合のうち、好きな試合だけ行けるようになったことかと。
前までは人気の第2試合が観たいとなると、第1試合から入場して、
席を確保しなければならなかった。
だから大体の人は平均2試合は観ていたと思う。
あとは今まで無料だった外野席が有料になったことも大きいのでは。
大会が終わったあと、この有料化がどう結果をもたらすのか。
熱戦とは別でちょっと気になるところ。
あとはこの暑さ。
球児たちも昔と比べれば試合中でも水分を取れるようにはなっているものの
やはり体調には現れて、試合中脚が攣る選手も続出している。
今後は時間や時期も考えなくちゃいけなくなるだろう。

ということで、甲子園に行きたい気持ちは置いといて本題に。

 

前回、キューバの教育について書かせてもらった。
キューバのいいところを取り上げてみたが、
日本と比べたらキューバの人たちの生活は全く裕福には見えない。
街もボロボロ、車も古いし道の整備も行き届いてはいない。
おしゃれな服も着ていない。

それでもキューバの人たちは明るい。
歌を歌い、楽器を奏で、踊っている。
カラフルな街並みも魅力的だ。

それに比べて日本はいいものが溢れていて、お金さえあれば好きなものが手に入る。
でも、そのために日々仕事に追われみんなが疲れている。

「何を持って幸せとするのか。」

今の日本から見てキューバの人たちが貧しいかと言ったら
全く違うだろう。

「先の不安より今日をどこまで楽しく生きるか。」

この想いが根底にあるのだと思った。

 

キューバが遅れている国で、日本が進んでいる国か。
それも決してそうではない。

文化的な面から見ても、音楽やバレエなども世界のトップクラス。
国内のスポーツは少々レベルは落ちてきてしまってるが、
国外で活躍しているキューバ出身者は多い。
数は少ないアートギャラリーなども覗いてみたが、アート作品や写真家の作品なども
ハッと思わせるものも多い。

そもそもアートやデザイン、その他のクリエイティブな仕事は
誰のためにあるものなのか。
特にアートは自己表現の世界で主観的でいいと思われることが多いと思うが、
それは数年前までの話。
今は、アートこそ人のために作り出すべきもので役立つものだとキューバで感じた。
これからのアーティストやクリエイターはいかに人のために社会のために
自分のできることをするか。
それが活動の意味となってくると思う。

 

ハバナの 旧市街カジェ・ウエソ(Cayo Hueso)という地区に
カジェホン・デ・ハメル(Callejon de Hamel)という路地がある。

https://www.travel.co.jp/guide/article/32582/

この路地は約200mくらいに渡って建物の壁に絵が描かれていたり、
多くのオブジェが道に飾られていたりする路地。。。
サルバドール・ゴンサレス・エスカローナという一人のアーティストが、
1990年からアフロキューバン・カルチャーを広めるために作り始めた。

キューバに行く前からここがあることは知っていたが、
宿泊していたゲストハウスの近くを散歩していたら偶然出くわして驚いた。

路地の壁画だとかオブジェを見ているだけでも楽しめるが、
日曜日の正午から行われるルンバのイベントは大盛り上がりするそう。

それを聞いてもう一度日曜日に行ってみた。
観光客も多く訪れていたが、地元の人たちも老若男女集まっていた。

ルンバの演奏を見ていると隣にいたちょっとイカツイ青年は
奥さんに頼まれて買って帰る途中なのか手に紙オムツ、
もう一方の手にハバナクラブのボトルを持って眺めていた。
僕もそこで買ったモヒートを飲んでいたのだが、
飲み干しているのをわかった青年は快くボトルからラムを注いでくれた。

こんな場所が日本にも作れたらと思った。

お金もかからず人が集まれて老若男女が楽しめる場所。
それをアーティストやクリエイターの力で作る。

そんなことを思いながら、
酔った僕はマレコン通りの公園で昼寝をしていた。


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