昨年からぼちぼち再開していた「金継ぎ」
年明けからCREA/Meでも「osaka金継Go!倶楽部」として、金継ぎの部活(?)を始めた。
最近ではあちこちで金継ぎ教室も開催されていて人気も出てきている。
なぜ人気が出てきたのか。
自分なりに考察してみた。
数年前よく行っていた居酒屋でぐい呑みが綺麗に真っ二つに割れていた。
それをみて「これって金継ぎで直せるよな。」と思い、
すぐに本を買い材料を揃えてとりあえずやってみたのが自分が金継ぎを始めたきっかけ。
出来映えはまずまずで、完成後お店に置いてもらった。
で、しばらくしてお店に行くと店の人が
「あの金継ぎしたぐい呑みが気に入って、いつもそれで飲んでるお客さんがいるよ。」
と教えてくれた。
その方は近くの会社の社長さんで、実際にその店でもお会いしたこともあった。
自分が具体的に何かをして、他人が喜んでくれる。
しばらく味わっていなかった感覚を感じて少し幸せな気分になったのを覚えている。
それからも何軒かの知り合いの居酒屋の器を修繕していた。
本金泥は使っていたが、漆は本漆ではない代用品を使っていたので、
いつかは本漆で本格的な「金継ぎ」をやってみたいと思っていた。
(のちに別の仕事で漆にかぶれることが判明。。。笑)
そんな感じでなんだかんだ続けていたある日、
東京のブックカフェ「6次元」のオーナーでもあるナカムラクニオさんの
金継ぎ体験教室があるとのことで参加した。
さすがにナカムラさんの教室とあって参加者は30名超え。
ナカムラさんの教えられている金継ぎは俗にいう「簡易金継ぎ」
金泥の代わりに真鍮泥、漆も代用品を使用する。
終了後、食事会もあり直接お話を伺える機会が。
「本金継ぎは時間も費用もかかる。今は接着剤も進化し、本金泥や本漆を使わなくても代用品で十分。」
「この簡易金継ぎをもっと広めたい。」
「多くの人が自分で割れた器を修繕することによって価値観も変わる。」
ナカムラさんの言葉に、ホッとした自分がいた。
本金継ぎは伝統的な修繕技術。
その技術を伝えていくのはもちろん大切。
でも、そもそもはモノを大切に使っていく精神こそ伝えていかなければならない。
日本には伝統的技術、技法が多く伝えられている。
ただ、よく考えてみるとその技法も100年200年前はその時代に合わせた技術ではなかったのか。
生活環境も身の回りのモノも変わった現代から未来に伝えていくには
やはりこの時代にあった方法で進化させていかなければ、本当になくなってしまうのではないか。
ナカムラさんの言葉に素直に思えた。
本漆、本金泥を使わなくていい。
現代にあった金継ぎ『現代金継ぎ』を広めていこう。
加えてナカムラさんのスタイルは「金継ぎは難しくない」「もっと気軽に自由にやっていい」というもの。
緊張感の中、息も止めて、神経尖らせて行うようなものではない。
そんな金継ぎを自分も広めていきたいと思い、CREA/Meでは「教室」という
誰かが教えるというスタイルではなく、みんなが楽しく続けていける「部活」にした。
「金継ぎ」は別に「金繕い」とい言い方もある。
「繕う(つくろう)」
モノを繕いながら長く大切に使う。
リノベーション、DIY、古民家再生、アップサイクル。
贅沢品に囲まれ、きらびやかで高価なものを買うこと、
タワーマンションに住むことも今やダサい時代になった。
「おしゃれな暮らし」より「洒落た暮らし」がカッコいい。
こういった価値観を持つ人は「金継ぎ」にきっとハマる。
「金継ぎ」にはやってみないと感じることができないモノがある。
これまでそこにあったモノの価値が自分の力で変わる瞬間が体験できることだ。
割れることによって明確に一度価値はゼロになる。
それを繕うことによって再生され、新しい価値に生まれ変わる。
この瞬間をぜひ味わってほしい。
CREA/Meの「osaka金継Go!倶楽部」はおかげさまで月1から月2のペースで開催している。
以前のワークショップはフェイスブックのイベントページで参加募集していたが、
「osaka金継Go!倶楽部」に関しては参加者の口コミで毎回定員になっている。
参加者(部員)からは「金継ぎをしたぐい呑みで日本酒会」や
それぞれが金継ぎした器の販売会「金継ぎフェア」をやりたいなど、
面白いアイデアも出てきていてこれからますます楽しみ。
ちょっと参加してみたいという方はこちらまでお問い合わせください。
info@creame-dep.com